埼玉県越谷市の漢方新生堂薬局です。不妊症・更年期障害・めまい・耳鳴り・腰痛・神経痛・アトピーなどでお悩みの方はご相談ください。
漢方には、「不通則痛」(通ぜざれば、すなわち痛む)という言葉があります。 痛みは、血液などの流れが悪くなることで起こるというものです。
原因として、筋肉の炎症とそれによる筋肉の硬直が考えられます。また、筋肉の栄養が不足したり筋肉の質(鮮度)が低下したことで起こる「不栄則痛」(栄えざれば、すなわち痛む)もあります。これは、慢性化や老化が原因とされています。
大切なのは、痛みの種類と性質を正しく見極めることです。まずは、生活実態の中から痛みの緩和する条件と、逆に悪化する条件を探っていくことから始めます。病名はあくまでも参考程度にすぎません。
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、坐骨神経痛など、その原因の多くは「骨」の変形・圧迫・狭窄のいずれかであるとされます。この時、画像診断の結果は大きな説得力を持ちます。変形した箇所を指摘されれば、どんな患者さんであっても納得せざるを得ないためです。
しかし、果たして骨の変形と痛みとの因果関係は、絶対的なものなのでしょうか。
骨や関節の変形は、年齢とともに少なからず生じます。統計によると、40~50代の6割、60代以上では実に9割の方に骨の変形がみられるといった報告があります。ところが、すべての方が腰痛・神経痛に悩むわけではありません。
実際、「腰痛の85%は原因不明」といったように、骨の変形と痛みとの因果関係に懐疑的な医師もいます。また、仮に痛みの原因が骨にあるのであれば、根本的な解決は難しくなります。手術に踏み切ったとしても、必ずしも痛みから解放されるとも限りません。
治療結果が伴わない場合、最終的に「心因性腰痛」といった病名をつけられることがあります。痛みに対する ”恐れ” が原因という考えにもとづくものです。欧米を中心に広がりつつあるようですが、痛みの治療がいかに混沌としているかを反映した証と言えるでしょう。
痛みやしびれは、骨を取り巻く筋肉や腱に変化が生じたことの証(あかし)です。そこで、痛みやしびれ方の特徴から筋肉の状態を推察します。まずは、どの部位が、どのように痛むかを聞き取ることから始まります。
次に、悪化する条件と好転する条件とを把握します。温めるのと冷やすのとではどちらが楽になるのかや、時間帯による変化、季節・気温・湿度による変化など、生活実態を把握しながら痛みの分類を行っていきます。例えば、「痰飲(たんいん)」や「血瘀(けつお)」、あるいは「気血の不足」などです。
様々な要素が複雑に絡み合っていることが多いため、きめ細かな情報をもとに漢方薬の調整を行うことが大事になります。