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2018年 ブログ

傍想録

漢方講座~基礎&臨床(12月)

2018.12.16(日)

早いもので、今年最後の講座です。

前回から初級講座が始まり、概要ついての話をしましたが、今日からはいよいよ各論に入ります。

教科書に書いてあることを話す必要はないでしょう。当時の人は、どのように人体生理を考えたのか、、、これを想像しながら進めていきます。

基礎講座~各論(1)

1)弁証論治とは?

  1. 各種弁証法について
  2. 正しく弁証するために

2)生理学

  1. 気・血・津液・精について
  2. 相互関係(気と血)
  3. 相互関係(気と津液)
  4. 相互関係(津液と血)

3)確認問題(気血津液)

 

つづく本編では、続・続・補中益気湯です。長く深く考えていくうちに、見えてくることがある。。。これが狙いです。

臨床講座~続・続・補中益気湯

1)李東垣は食糧難と労役によって人はどうなると考えたのか?

2)労倦内傷に対する李東垣の考えについて

  1. 前提とした概念(『黄帝内経』より)
  2. 目標となる「証」
  3. 対処法(治則)

3)六君子湯、その他の補剤との違い

4)歴代医家はどのように考えたのか?

5)黄耆の意味

6)いかにして古典を読むか

『景岳全書』『医方集解』『医学衷中参西録』など

 

随分と難しい内容にまで踏み入ってしまったようです。。。講座内容のフォローはグループLINEで行うことにしましょう。

漢方 新生塾~基礎&臨床(11月)

2018.11.18(日)
基礎講座~概論

1)今後の学習の進め方

2)中医学概論

  1. 全体観(六気との関連など)
  2. 弁証論治(証とは)
  3. 生理学(生命活動、人体の構造)
  4. 病理学(一次、二次病因)
  5. 診断学(各種弁証法)
  6. 薬物学(性味、帰経、薬対など)
  7. 方剤学(古典の運用など)

まずはひと通り、全体像を知っていただく内容です。

臨床講座~続・補中益気湯

つづいて、本編の「臨床で使える講座」を行いました。

1)李東垣が補中益気湯を創製するにあたり、どの処方を参考にしたと考えられるか?

2)『内外傷弁惑論』補中益気湯の立方本旨に記されている「辛甘微温の剤」とは何か?

3)李東垣による補中益気湯の適応は、現代における「疲労」に相当するのか?

4)『金匱要略・血痺虚労病』における「虚労」「五労」とは何を指すのか?


基礎は大事です。しかし、同時に臨床で使える理論とは何かを考える講座にしていきたいと思います。

臨床で使える漢方講座(10月)

2018.10.21(日)

本日は、毎月恒例の講座を開催しました。

今回のテーマは

<補益剤について>

1)食欲不振、疲労倦怠について

2)出典考察(四君子湯、六君子湯)

  • 『聖済総録』『和剤局方』
  • 『医学正伝』『万病回春』

3)出典考察(補中益気湯)

  • 『内外傷弁惑論』飲食労倦論

4)症例検討

  • 微熱、頭重感、倦怠感を訴える患者
  • 虚労について考える~『金匱要略』血痺虚労病の検討


食欲不振、疲労倦怠とくれば、現代中医学では「補益(ほえき)」の必要性を考える。この代表処方は六君子湯や補中益気湯とされる。

・・・・・・・・・・

さて、果たしてこれで本当に効いた実感はあるのだろうか?
まさか「漢方は長く飲めば効く」などと考えていないだろうか??

 

漢方を学ぶ多くの人は、安直で分かりやすい解説書を探してはこれに頼る傾向にあります。膨大な書籍と臨床例を理解するには、相当な時間を要するからです。

しかし、残念ながらこれでは漢方の上達は見込めません。

漢方薬の真髄を知るためには、その漢方薬が歴史上初めて出典された「原典」を読む必要があります。この作業はとても苦心します。。。

そもそも何の目的で作られた薬なのか? 当時の時代背景、人体生理学、病理学はどうだったのか? など、既存の常識に捉われず、まっすぐに理解する姿勢が大事だからです。

遠回りのようで、これが近道なのです。

・・・・・・・・・・

堅苦しいことを言いましたが、、、

本講座では、皆が自由に意見を出し合いながら、疑問を一つ一つ解決していきます。途中でお茶菓子タイムを交え、夜は食事会もあったりと和やかな雰囲気のもと勉強しております(^o^)

臨床で使える漢方講座(9月)

2018.09.17(日)

本日は、毎月恒例の講座日でした。

今夏に行われた『学生のための漢方講座』の受講生など3名の方が体験受講されました。

皆さま遠方よりお越しで、夜行バスで帰られる方も。。。感謝ですm(__)m
 

さて、今回のテーマは

1)水穀の運化に関わる臓腑(復習)

  • 気滞とは
  • 肝に起因する症状、病態とは

2)「気」について(復習)

  • 気の原料とは
  • 気の機能について
  • 臨床的な気虚の判断
  • 年代別「食欲不振」(症例検討)

3)『傷寒論』レッスン

  • 第1条~38条
  • 悪風と悪寒、中風と傷寒についての考察

4)近年の漢方動向について

  • 誤治と副作用
  • 正しい漢方の弁証

 

バターチキンカレーがおすすめ

勉強会の後は食事会♪

今夜は向いにあるインド・ネパール料理屋へ。

先週オープンしたばかりですが、その夜は満席でした。辛くてもお腹に優しいのが嬉しい(^o^)

オススメです!

怒り心頭

2018.08.24(金)

『漢方 ビッグデータで検証』
 

こんな記事が目に飛び込んできました。漢方薬の科学的根拠の確立と、効果的な服用方法、副作用の防止が目的だそうです。


また始まったか。。。これが正直な感想です。

 

漢方は本来、「弁証論治(べんしょうろんち)」という伝統的な手法によって処方が決定されます。丁寧に問診すれば、3060分ほどかかるでしょう。

伝統的漢方を正しく学び、習得実践していれば、効果的かつ副作用も回避することができます。漢方薬がもつ本来の性質を生かし、患者さんの体質に十分配慮された処方が可能となるためです。


その裏付けは、2000年もの間に培われた理論体系にあります。

 

現代医学と比較してみましょう。現代医学では、検査によって病名を決定し、これに適応するお薬を処方します。 

つまり、“病名ありき”で処方(治療方針)が決まるのです。

 

一方、漢方ではこうした「病名診断」は馴染みません。“馴染まない” というよりも “絶対にやってはいけない” と言った方が適切でしょう。 

 

伝統漢方を習得、継承する医療人は大きく減りました。歴史的に、漢方を廃絶せんとする動きや、西洋医学への盲信もその一因となったことでしょう。その間、現代医学は大きな発展を遂げました。治せる病気も格段に増えました。

しかし、万能ではなかった。時代は都合よく、再び漢方にその脚光を浴びせたのです。

 

一大転機となったのは、漢方薬の保険適用です。

 

これを機に、漢方は急速に普及しました。ただし、普及とは名ばかりで実体は伴っていません。急速な普及に対して、漢方家の育成が追い付かないためです。真に精通した漢方家を育成するには、時間と労力が必要なのです。

大学の医学部・薬学部で学ぶことは極々わずかです。教える側も臨床での精通者は皆無にて、空理空論の講釈を垂れるばかりです。大学を卒業して、いざ本気で勉強しようにも臨床に根拠を求める勉強集団はそう多くありません。


そこで、生み出されたのが「病名による漢方処方」です。

従来の伝統的手法を軽視し、遂にこの絶対にやってはいけない方法に手を染めるようになったのです。多くの患者さんが集まる大病院では、問診時間が5分で済むとあらば好都合です。しかし、、、当然ながら、こうした愚行によって副作用事例が多発するなど、重大な過ちを繰り返すことになったのです。

こうして、にわかに「漢方だって薬だから副作用ぐらいはある」という自己肯定の声が上がり始めます。。。漢方の安全神話崩壊の始まりです。

 

今回、ビッグデータの情報源とするのは、全国の病院、診療所、介護施設のようです。まさに絶対にやってはいけない「病名による漢方処方」が繰り返され、重大な副作用事例を多発させたその現場です。

これは例えるならば、カメラの撮影技術が未熟な素人に、プロが使う高級一眼レフの評価を委ねるのに等しいのです。正当な評価などできるはずがありません。(※辛辣な物言いであることをお許しください)

再び、同じ過ちが繰り返されようとしているのです。

問題の本質が見えないのか、既得権益を堅持したいがためなのか、、、医療は誰のためのものかと言いたくなります。

 

今回の政府方針は、「伝統的手法には根拠がない」と言わんばかりです。 

漢方に対する浅識。。。
科学への絶対的信頼。。。

自称 ”リアリスト” たちのこうした愚行が、伝統的漢方を失墜させ、患者さんの利益を奪おうとしています。

 

怒り心頭、なのであります。

臨床で使える漢方講座(8月)

2018.08.05(日)

アンチョビのペペロンチーノ

本日は、毎月恒例の講座日でした。

今回のテーマは

1)気血津液の臨床(前回の復習)

  • 補中益気湯の運用について
  • 帰脾湯の運用について

2)夏バテ、熱中症の漢方

  • 夏バテ・熱中症は漢方で治せるのか?
  • 清暑益気湯の運用について(出典からの考察)
  • 食養生、生活養生など

3)中医学基礎(確認)

  • 湿邪の特徴、気の作用、心脾両虚と帰脾湯など

 

勉強会の後は、楽しい食事会♪
1軒目は、蒲生駅前にある 鰻屋さんと思しきお店にて、いわし料理づくし。絶品でした。

鰻ならぬ、いわしで夏バテ解消です^_^

舌先三寸

2018.03.06(火)

「采配」は振るもの

同じ目的で使ってはいるものの、誤って使われている言葉が横行しています。

例えば、「采配(さいはい)を振るう」として使われがちですが、正しくは「采配を振る」です。

他にも、、、

×「藁をもすがる」  ○「藁をもつかむ」
×「足もとをすくう」 ○「足をすくう」
×「間が持たない」  ○「間が持てない」
×「口先三寸」    〇「舌先三寸」

 

困ったことに、誤って使う人が多くなると、やがて間違いが間違いでなくなり、次第にその使い方が一般的になるようです。

 

さて、このところ漢方メーカーからの「副作用情報」を散見します。

「漢方で副作用??」

と思う方もいらっしゃることでしょう。もちろん医薬品ですから、服用した薬によって身体の不調が起これば、それは副作用として報告されます。

ただ、、、その内訳を見るに、先ほどの ”誤った言葉の使われ方” と似たような事態が起こっているのです。

それは、本来使ってはいけない体質の方に使ったり、漫然と長期間投与しているケースがほとんどです。失礼ながら、ただただ漢方の習熟不足であるがゆえに、誤った使い方で起こっているのです。そして、やはり困ったことに、誤った認識や使い方を正すことなく、それが一般化している現実があります。 

こうした場合、厳密には副作用ではなく、人災と言えます。


一般に、漢方に対するイメージは次のようなものでしょう。

「漢方は効果がマイルド」
「漢方は副作用がなく安全」
「漢方には好転反応(※)がある」

※好転反応・・・治る過程で、一時的に悪化すること

しかし、どうでしょう。自己判断で購入した漢方薬や、誤った認識によって処方された漢方薬では、必ずしもこうしたイメージとは合致しない結果となります。

生兵法は怪我のもと。知らないことは罪である。

困るのは患者さんです。


くれぐれもメーカーさんが謳う

「漢方を科学する」
「漢方をより多くの人に」

これが舌先三寸ではないことを願うばかりです。

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