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2019年 ブログ

傍想録

漢方 新生塾(12月)

2019.12.15(

今回は、本年最後の講座です。産休、引越、ご自身もしくは家族がかぜのため病欠など、メンバーは少なめでしたので、いつもよりじっくりと考えてみました。

基礎講座

基礎講座のメンバーの数名は、調剤薬局に勤務されています。

当然ながら、薬剤師は薬のプロとして、処方箋に記載されている内容について十分に把握していなければなりません。ところが、多くの薬剤師は、漢方薬を苦手としています。

近年、医師による漢方処方が増えています。僭越ながら、その処方を見るに、漢方の造詣が深い医師と、そうでない医師との違いが明確に分かれます。

それだけに、薬剤師は断片的な知識だけでなく、しっかりと勉強しなければなりません。

 

臨床講座

人体に占める水分比率は、およそ65%と言われています。ということは、必然的に身体の不調の多くは「水」に関係するものが多くなるはずです。

漢方では「陰陽」という概念があります。このうち水が属するのは「陰」です。人体における物質的な要素は「陰」に属するわけです。対して、目には見えない機能的な要素は「陽」に属します。

人間は生まれてから命絶えるまでに「陰陽」の盛衰があり、それぞれの年代で異なる病態を示します。

今回は、水が関係する症例検討を通して「陰陽」を掘り下げて考えてみました。

症例1)93歳女性 食後嘔気、横臥を好む
症例2)52歳女性 耳鳴・耳塞感、顔面神経麻痺

学生のための漢方講座(第38回)

2019.08.20(火)

今年も多くの学生さんに参加いただきました。

毎年、講師を務めていますが、少しの緊張と多くの楽しみを得ることができます。今や私の夏の風物詩となりつつあります。

今年度が終わると、早くも講師陣は来年に向けて動き出します。オリンピックの年、日程調整が必要ですが、また多くの学生さんに参加いただきたいですね。

痰飲と水気

2019.07.21(日)

人のカラダの大半は水です。従って、わずかでも水が変調をきたせば、それが不調となって現れます。それだけに「水」の生理と病理は大切なのです。

漢方で言う「水」は痰飲、水気、湿と定義が分かれます。言葉の定義は分かっているつもりでも、いざ臨床でどのように鑑別するのかまで問われると難しいものです。

重要かつ壮大なテーマも今回で4回目を迎え、これで一区切りです。

これまでの復習を兼ねて再度検証しました。

臨床講座~痰飲と水気&桂枝甘草湯からの流れ
  1. 痰飲と水気~中医学における定義(一般論)
  2. 痰飲と水気について~金匱要略から考える(検証)
  3. 続・桂枝甘草湯からの流れ
  4. 苓桂朮甘湯と苓桂甘棗湯の鑑別

※番外編~症例検討(↓)

以下の症例に茯苓飲合半夏厚朴湯は適切だったのか。

相談員が、患者さんの言葉をどう受け止めるかによって、治療の方向性や結果が左右されることを考える一例とした。

  • 胸のあたりが苦しい
  • 胃部の膨満感
  • 臍上動悸がある
  • 水を摂ると胃がカポカポし、口渇がある
  • ほか

漢方 新生塾(6月)

2019.06.16(日)

今月は、臨床講座の内容が盛りだくさん、初級クラスの人数が少なかったこともありまして、本題から入りました。

内容は、4月から続いている「痰飲」と「水気」についてです。

きっかけは、ある受講生からの「痰飲と水気は、どう違うのですか?」という質問でした。基本書や辞典で意味を調べれば分かる内容かもしれません。しかし、それでは臨床に使えません。とても良い質問です。

そのため、原典でもある『金匱要略』について、『傷寒論』と合せて熟読し、その解釈と臨床的意義について考えました。

今回で3回目。まだまだ続きます。奥が深いです。

 

臨床講座~茯苓甘草湯と五苓散から考える

『傷寒論・太陽病篇』において、茯苓甘草湯と五苓散をもとに以下のテーマを掲げて考えました。

  1. 五苓散に生津作用はあるのか?
  2. 五苓散は表裏和解の剤と言われるが果たしてどうか?
  3. 五苓散は「渇」、茯苓甘草湯は「不渇」とあるが、その違いは何か?またそれぞれの病位は?
  4. 桂枝甘草湯証における上衝とは?
  5. 桂枝甘草湯からの展開について
  6. 実際の臨床ではどのように考えればよいか?

漢方 新生塾(5月)

2019.05.19(日)
基礎講座~臓腑各論(3)胃・肺・大腸

1)臓腑の臨床(胃)

  • 病理(失調するとどうなるのか)
  • 弁証(胃気虚、胃陰虚、胃熱、胃寒、食滞)

2)臓腑の臨床(肺)

  • 病理(失調するとどうなるのか)
  • 弁証(風寒犯肺、風熱犯肺、燥邪犯肺、痰飲阻肺、肺陰虚)

3)臓腑の臨床(大腸)

  • 弁証(大腸湿熱、大腸津虧)
臨床講座~越婢湯類の考察

越婢湯と越婢加朮湯の違いは、白朮の有無にある。では、この白朮の有無を臨床ではどのように考え、運用したらいのかを考える。

まずは、『金匱要略・水気病篇』の条文から次のことを考察する。

  1. 越婢湯に表証はあるのか?
  2. 「渇」の有無はどう考えるか?
  3. 「自汗」の有無はどう考えるか?
  4. 越婢加朮湯の「裏水」とは? 風水、皮水との違いは?
  5. 越婢加朮湯の「小便不利」は、越婢湯との鑑別ポイントとなり得るのか?
  6. では、実際の臨床ではどのように使い分けるのか?

漢方 新生塾~基礎&臨床(4月)

2019.04.21(日)
基礎講座~臓腑各論(3)心・脾

1)臓腑の臨床(心)

  • 病理(失調するとどうなるのか)
  • 弁証(心陰虚、心火上炎、心血瘀阻)

2)臓腑の臨床(脾)

  • 病理(失調するとどうなるのか)
  • 弁証(脾気虚、脾陽虚、脾虚肝乗、中気下陥、寒湿困脾、脾不統血)
  • 主薬(人参、黄耆、炙甘草、白朮、茯苓、半夏、生姜、乾姜)
臨床講座~痰飲と水気

痰飲と水気について、その区別はできているか。中医学の理論書を鵜呑みにするのではなく、大本である『金匱要略・痰飲咳嗽病』『同・水気病』から解釈する。

1)痰飲病

  • 痰飲、懸飲、溢飲、支飲の解釈
  • 支飲、伏飲、懸飲、溢飲の病位と処方
  • 臨床の実際との照合

2)水気病

  • 風水、皮水、黄汗、正水、石水の解釈
  • 風水、皮水、黄汗の処方
  • 臨床の実際との照合
  • 水気病を可視化する

漢方 新生塾~基礎&臨床(3月)

2019.03.17(日)
基礎講座~臓腑各論(3)肝

臓腑間のネットワーク(『人体展』より)

1)中医学で考える生命

  • 臓腑を考える上で大切な「流れ」と「温かさ」
  • 臓腑と気血津液の関連性(飲食の流れから考える)
  • 中医臓腑理論の先進性(トップダウン型とネットワーク型)
  • 五臓の情報交換(相生と相克)

現代医学による臓腑の研究が進むにつれ、中医臓腑理論には先進性があることが分かってきました。

このため、現代医学では治癒し得ない病気や症状を解決する手段として、漢方には大いなる可能性があるのです。

2)臓腑の臨床(肝)

  • 病理(失調するとどうなるのか)
  • 弁証(肝気鬱結、肝気犯胃、肝気犯脾、肝気犯肺、肝火上炎)
  • 主薬(柴胡、芍薬、香附子、厚朴、砂仁ほか)
臨床講座~花粉症(症例検討)

検討したのは8症例

毎年のように「今年の花粉の飛散量は悲惨!?」と言われていますが、今年は本物のようです。。。

今回の講座では、花粉症に悩む家族、友人、患者さんに対して、実際に漢方薬を使った結果について皆で検討しました。ポイントは以下の通りです。

  • どんな症状か
  • その症状は、どんな時に悪化するのか
  • その漢方薬を選んだ根拠
  • 結果と考察

そこで、更に「衛気と営気」について考えました。この理論は、しばしば花粉症においても応用されています。はたして、本当に使える理論なのでしょうか。

  • 衛気とは、営気とは
  • 衛強営弱とは、衛弱営強とは
  • 『傷寒論』35・42・53・54・95条と成無己の注解を吟味

漢方 新生塾~基礎&臨床(2月)

2019.02.17(日)
基礎講座~各論(2)

ホワイトボードを一新(^o^)

1)臓腑を学習する前に

今日の中医学の基礎は陰陽五行説にある。古代中国では、この世で起こる全ての事象を「木火土金水」という5つの要素に分類しました。

中医学とは、こうした「五行説」を基礎に医術を発展させてきた歴史そのものなのです。

2)臓象学説とは

中医学では「体内の状態は、体外に反映される」との考えから、長い年月をかけて医術を体得してきた歴史があります。

これを臓象学説と言います。「臓」は内蔵、「象」は体外に現れる生理・病理現象を指すわけです。

3)臓腑の生理(総論)

  1. 臓腑の生理機能
  2. 五体、五官、五支、五志など
  3. 飲食の流れ

4)臓腑弁証

臓腑弁証とは、臓腑学説をもとに、四診で得た症候を分析し、どの臓腑に帰属するかを見分け、そこでの陰陽・気血がどのようになっているかを明らかにすることです。

そこで、臓腑の生理・病理、陰陽気血の知識が必要になってくるのです。次回からは各臓腑について学ぶことにしましょう。

臨床講座~花粉症の臨床

前回までは、「補気とは何か」について補中益気湯を通して学んできました。

さて、季節はもうすぐ春です。晴れやかな気分、、、とばかりではない事情の方もいらっしゃいます。花粉症に悩まされる方は、今や全人口の20%にものぼるようです。

花粉症では、シーズンに入る前の予防投薬によって、症状の緩和が期待されます。漢方では「補気」の必要性が謳われ、しばしば補中益気湯が使われます。

今回は、漢方の予防投薬と、発症した場合の対処薬とに分けて考えてみました。

1)予防投薬の考え

  1. 臓腑で言えば肺、脾、腎
  2. 補肺について
  3. 黄耆、人参、柴胡、升麻について
  4. 体質別の予防

2)一般的な処方

  1. 玉屏風散、黄耆建中湯
  2. 荊芥連翹湯、柴胡清肝湯
  3. 小青竜湯、麻黄附子細辛湯
  4. 葛根湯加川芎辛夷、辛夷清肺湯
  5. 洗肝明目湯など

3)臨床実際の提案

  1. 時期と症状の相関性について考える
  2. 外邪・内熱の強弱と相関性
  3. 時期別処方例
  4. 生薬単位で考える

前回は、教室が寒くて気の毒でしたが、今回は室内環境を整えて臨みました!

 

さて、次回までの課題は以下の通り。

  1. 実際の臨床での使用感の報告
  2. 「衛気」「営気」について、『傷寒論』の関連条文を読んで考える

当講座では、与えられるだけでなく「自ら考える」をテーマとしています。頑張っていきましょう。

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