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2025年 ブログ

傍想録

小太郎漢方講座 ~ 漢方相談の実際
第10回 弁証論治の探求②~感冒・花粉症

2025.01.26(

前回、「弁証論治の実際①」では、弁証論治についての概論をお話しいたしました。

今回からは各論に入っていきます。

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今年の冬はマイコプラズマから始まり、年末にかけてインフルエンザが猛威をふるいました。

インフルエンザの初期症状といえば、悪寒・頭痛・発熱・関節痛です。これは、漢方で言う感冒(傷寒)の初期症状と同じです。

漢方が考えられた古代中国では、インフルエンザもコロナもわかりませんから、冬季に同様の症状からはじまるものを「傷寒」と分類したのです。傷寒を分類し、治法を記したのが『傷寒論』という本です。

今回は『傷寒論』をもとに「感冒」の漢方治療についてお話しします。

「感冒」で一番大切なのは、その症状がどの段階にあるのかと、症状の変化に応じた対応です。

 

感冒の段階には、「初期」「中期」「後期」の三段階があります。

この中で、最も大切なのは「初期」段階での対応です。この段階では、悪寒頭項強痛脈浮といった表証が中心です。そこで、迅速に、正しく漢方治療ができれば、その後の症状の長期化・重症化を防ぐことが可能です。

「中期」に入ってしまうと、発熱が著しくなり、関節痛筋肉痛、あるいは鼻汁が始まります。すると、どのような治療法であっても、ある程度の時間を要することになります。漢方においても、使える薬が限られてきます。

そこで、この時期は対処療法的にはなりますが、ある程度症状を和らげてあげることで予後の悪化を防ぐことができます。

「後期」に入ると更に治療が難しくなってきます。実は、漢方薬局にご相談にいらっしゃるのは、この段階の方がほとんどででしょう。

微熱が続いたり、空咳が長く続いていたり、倦怠感息切れ胃腸の不具合などの訴えが多くなります。病院でも手立てがなく、漢方に救いを求めにいらっしゃるのです。

状態によっては、完治するまでに時間がかかる場合もあります。そこで、患者さんには、あらかじめ治療期間の目安をお伝えしてご理解いただく必要があります。

治療は難しくとも、漢方のお役に立てる時期と言えるでしょう。

 

今回の講演でお伝えしたポイントは、

感冒の流れを知る

・今、どこの段階にいるのかを把握する

邪気の強さと、生体の陰陽に則した漢方の選択

でした。

 

すぐに役立つ知識というものは、すぐに役立たなくなるものです。

”明日すぐには使えない漢方の話” だったかもしれませんが、日々の相談の中で経験として積み重ねることで、必ずや患者さんのお役に立てるものと思います。

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